働きながら税理士試験5科目に合格したしっぽです。僕は激務な職場で働きながら2年で法人税法に合格しました。
このブログでは税理士試験に合格するための勉強法などを紹介しています。
今回は税理士試験の中でも最難関と言われる「法人税法」に合格するための8つのポイントを紹介します!
・法人税法は税理士試験の最難関科目
・働きながら合格するポイント8点を解説
・理論の覚え方も解説
この記事は僕が働きながら法人税法に合格したノウハウを凝縮しました。法人税法に合格したい人は最後まで読んでください!
法人税法の概要
概要
法人税法とは税理士試験になるために必須で合格しなければならない税法の選択2科目(法人税法・所得税法)のうちの1つです。企業が毎年支払いをする法人税の計算をする知識を問うものです。
法人を相手にする税理士としては実務上は必須の知識です。企業を顧客として持つ税理士法人では法人税法の合格や学習実績を採用要件に定めている事務所も多く、税理士として税理士事務所で働こうとする人は必ず受験すべきです。
また、法人税法を受験する前に、会計科目の簿記論と財務諸表論に合格しておきましょう。理由は、法人税法は企業の決算数値を元に計算されるものであり、企業の決算の内容が理解できて居なければ理解できないからです。簿記論・財務諸表論の知識は法人税法を学習するための前提知識です。
難易度
税理士試験の各科目の受験者・合格者・合格率は以下のとおりです▼
出典:国税庁HP(グラフは当ブログ管理人作成)
2023年の法人税法の合格率は14.0%です。例年の合格率は10〜15%程度で推移しています。
受験者数は税法の中では消費税に次いで2番目に多く、同じく税法必須科目の所得税と比べると法人税法の方が3倍くらい多いことがわかります。
必須科目は所得税法よりも法人税法が選ばれています。これは、税理士法人で勤務するために法人税法の知識が必須とされていることが多いからです。
法人税法は税理士試験の中で最も範囲が広く最難関と言われています。法人税法に合格できれば税理士試験に合格できると言っても過言ではありません。
受験生は会計2科目(簿記論・財務諸表論)に合格している人が大半であることに加えて、税理士事務所に勤めながら受験する人も多く、受験生のレベルは高いです。合格には相当の労力を要すると覚悟しましょう。
勉強時間
元々の知識にもよりますが、一般的に勉強時間は1,200〜1,500時間程度必要です。
合格のためには、これだけの勉強時間を確保できることが前提となります。受験する前に自分が勉強時間を確保できる状況かどうかしっかりと考えるべきです。
※資格の大原やTACなどのホームページでは勉強時間は600時間程度となっておりますが、あの時間には理論暗記に必要な時間は入っていません。法人税法の場合は理論が計算よりも多いので、最低でも600×2=1,200時間が必要です。安定して合格できるラインに達するには1,500時間程度は必要でしょう。
受験順序
法人税法は選択必須科目であることに加えて、会計2科目(簿記論・財務諸表論)の知識が前提となりますので、会計2科目合格後に税法の1番最初の科目として受験することがおすすめです。
科目の選び方や受験順序についてはこの記事にまとめています▼
法人税法は企業を相手にする税理士としては必須知識なんだね!
そうだね!税理士として実務をしていくためには欠かせない知識だよ。税理士試験の中でも最難関。法人税法に合格できるかどうかが企業相手の税理士になれるかどうかの決め手とも言えるね!
合格のポイント8選
ここからは法人税法に合格するための8つのポイントを紹介してきます!
①学習を習慣化しよう
法人税法は税理士試験の中でも最難関であり、かなりの労力を要します。
特に働きながら受験する場合は非常に苦しむことになります。従って、いかに学習を習慣化して、当たり前のように毎日学習するかが大切になってきます。
習慣化の方法はこちらの記事で解説していますので参考にしてください▼
②予備校を利用しよう
法人税法に合格するには相当の労力を要するため独学では困難です。予備校を活用して効率的に学習しましょう。なお、予備校は「資格の大原」がおすすめです。
「資格の大原」は税理士試験で最大の合格実績を誇ます。その理由は、充実したカリキュラムと強力な講師陣です。カリキュラムが充実していることから「資格の大原」のカリキュラムをこなすことができれば十分に合格できます。
また、「資格の大原」の法人税法のWEB講義の講師を務める水上先生の講義がものすごくわかりやすいです。しっぽは水上先生の講義を受けることができたから合格できたと言っても過言ではないと思っており、とても感謝しています!
予備校の効果や「資格の大原」のおすすめ理由などはこちらの記事にまとめています▼
③抑えるべき基本問題を確実に解答しよう
法人税法は最難関の試験です。範囲がとてつもなく広いため、難しい論点で点数を取るほど知識を深めることは困難です。いかに基本的な問題で多く点を稼げるかが、他の受験生との差になります。従って、抑えるべき基本問題をミスなく確実に解答して点数を稼ぐことが非常に大切です。
法人税法は上に述べたように受験者数が税法の中では2番目に多く、会計科目の後に税法で初めて受験する人も多いです。周囲の受験生も完璧な状態で試験に臨んでいる人は少なく、一定のミスは発生します。逆に言えば、基本問題をミスなく解答できれば、それだけで十分に合格点を取ることができるのです。
④問題の素読みに時間をかけよう
法人税法は範囲が広く、難しい論点も多く存在します。
難しい問題に時間を取られすぎると、時間が足りなくなってしまったり、基本問題を焦ってミスしてしまうこともあります。上でも述べたように、大切なことは基本問題を確実に解答することです。そのためにも難しい問題は勇気を持って後回ししましょう。難しい問題は他の受験生も解けません。
そのためには、最初に問題全てを読む素読みが非常に重要です。
最初に全ての問題を見ることで、どの問題にどれくらいの時間をかけるべきか判断できます。
また、進めていて、簡単に解けそうだと思った問題であっても1分程度考えて手が止まったら、その問題は後回しにして次に進みましょう試験本番は非常に緊張しますので、基本論点を急に忘れることもありますが、次の問題をといてまた戻ってくれば思い出すことが多いです。
また、特に理論問題の素読みは大切にしてください。法人税法は時間に余裕がないため、間違った理論の条文を解答して時間をロスしてしまうと取り返しがつきませんので、焦らずに素読みには十分に時間を使いましょう。(理論1題につき5分程度使っても問題ありません)
しっぽのオススメの理論問題の解答方法は以下のとおりです▼
①問題の最後(何を問われているのか)をまず読む
②問題の全体を読む
③回答の概要と根拠条文の頭出しをする
④もう一度問題を全部読み、概要と条文に間違いがないか確認する
⑤解答を書く(優先順位の低い根拠条文の記入は後回し)
⑤試験の3ヶ月前からは毎日問題演習をしよう
法人税法を含めて税理士試験の試験時間は2時間です。それまで1200時間程度かけた努力の成果を2時間で出し切る必要があります。本番でしっかり力を出すために直前期に毎日問題演習をすることがオススメです。
試験の3ヶ月前(大体ゴールデンウィーク明け)からは毎日総合問題を解きましょう。解く問題は、過去問・「資格の大原」の模試・各予備校が出している予想問題集です。3ヶ月あればこの問題を2周できます。これで他の受験生がやっていて自分がやっていない問題はほぼ無くなりますので、試験当日に自信を持って試験に臨むことができます。
毎日必要な時間は90分程度です。ゴールデンウィーク以降は毎日少なくともこの時間は確保しましょう。大切なことは例外なく毎日やり続けることです。
①総合問題を解く(70分程度)
②総合問題の答え合わせをする(10分程度)
③間違えた問題をミスノートに項目分けして書く(10分程度)
直前期の勉強方法はこの記事にまとめています▼
⑥ミスノートを作って本番のミスを無くそう
法人税法は基本問題をいかにミスなく解答するかが大切です。そのためにミスノートを作成しましょう。ミスノートとは、自分が問題演習ミスした内容をメモして、試験前の都度見返すことで同じミスをしないようにするツールです。
具体的な運用方法は以下のとおりです▼
・ノートを1冊用意する(持ち運びできるサイズ、A5がオススメ)
・問題演習でミスした内容をメモする(項目ごとにページ分け)
例:「減価償却費」項目 小数点の処理を間違えた など
・直前期に過去問や模試の前に見返してミスしないように意識する
また、ミスノートは計算問題のみならず理論問題についても作りましょう。先にも述べたように、本番の理論問題で解答する部分を間違えてしまうと取り返しがつきません。それを防ぐためにも、理論問題で読み違いをしてしまった場合は必ずメモしておき、本番で読み間違いをしないように最新の注意を払いましょう!
⑦理論問題集を活用して理論暗記しよう
・まず条文の意味を理解する
・覚えやすく区切って暗記
・予備校のミニテストは満点を目指す
・何回も繰り返して記憶に定着
・理論サブノート等は常に持つ
・少しでも隙間時間があれば暗記
・体を動かしながら暗記も効果的
法人税法は膨大な量の理論暗記が必要になります。根拠条文は約80題の暗記が必要です。理論暗記のためには「資格の大原」の「理論サブノート」、「TAC」の「理論マスター」が非常に役に立ちます!
暗記すべき理論が体系的に綺麗にまとまっていてます。自分がすぐに見える状態にして、いつでも持ち歩くことがおすすめです。
法人税法の理論は重要語句は丸暗記が基本です。文章の内容に大きな影響がない接続詞等の部分は内容があっていればいいですが、中には細かな書き振りで内容が異なる部分もあるので、そこもしっかりと思えなければなりません。
暗記の分量が膨大なので、暗記のやり方を身につけることも大切です。やり方は人それぞれですが、しっぽのおすすめはひたすらに暗唱するということです。
書いて覚える方が覚えやすいという方もいるでしょうが、法人税法は覚える量が膨大であり書いていると時間が足りません、頭の中で繰り返して暗唱して覚える方が効率的です。
覚える順序は「資格の大原」であれば、大原のカリキュラム通りにしてください。大原のカリキュラムは非常に整っていますので、カリキュラム通りに暗記を繰り返せば問題なく合格できます。
※TACを使っていた方からはTACのカリキュラムでは間に合わないとのことでした。予備校ごとでカリキュラムに差がありますので、必要に応じて自分でカリキュラムを調整してください。
また、最初は完璧に覚えられないと思いますし、一度覚えたものを数日経つと忘れてしまうと思いますが、それでも問題ありません。暗記を繰り返すと、覚えるためにかかる時間が減ってきます。
最初は、1センテンスに1時間かかっていたものが、2回目は40分、3回目は30分、4回目は20分というように必要な時間が減ってきます。その状況で暗記の周回を進めれば、直前期に短い時間で暗記を周回することができるので、十分合格できる状況になります!
▼全受験生にオススメです!
⑧自分に合ったペンと電卓を使おう
法人税法は時間に余裕がなく、1分1秒を争う勝負だと思ってください。また、先ほども述べているように抑えるべき問題をミスなく解答することが非常に重要です。そのためには、特にペンと電卓にはこだわり、自分に合った道具を使いましょう。
ペンは書くスピードに大きく関わりますし大きく合否に関わってきます。
しっぽは計算問題用のペンと理論問題用のペンは違うものを使っていました。計算問題は数字の見間違いを防ぐために細いペンを使っていました。理論問題はかなりの分量を書くので、手の疲れを防ぐために少し太めのペンを使っていました。
▼僕が税理士試験で使っていたペンです
【計算用】
【理論用】
また、電卓は計算のスピードに大きく関わります。電卓によって配列が違うので自分に合うものを決めて使い慣れることが大切です。個人的にはカシオがおすすめです。カシオは日本電卓技能検定協会も推奨しており、非常に早いスピードで計算ができるように配列などが考えられています。
なお、試験当日には1台が故障してしまう場合もありますので、その場合にも備えて2つは用意しましょう!
▼僕が税理士試験で使っていた電卓
法人税法は理論暗記の分量も多くて、難易度が高い科目なんだね!
そうだね!法人税法は税理士試験の中でも最難関だよ。でも、学習を習慣化して努力を続ければ、働きながらでも十分に合格できるよ!
まとめ_法人税法は学習を習慣化してコツコツと努力を続けよう!
法人税法は税理士試験の中でも最難関の資格です。合格には労力を要しますが、学習を習慣化してコツコツと努力を続ければ働きながらでも十分に合格できます。
法人税法に合格できれば、税理士試験に合格できたも同然です!自分の思い描いた人生を歩むためにも、学習を習慣化して、合格を掴み取っていきましょう!
最後まで読んでくださってありがとうございます。法人税法は範囲が膨大ですが、正しい努力を続ければ十分に合格できる試験です。この記事を読んでくださった皆様が法人税法に合格することを心から祈っています!
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